太宰府市の広報誌に住職の記事が掲載されました2020.05.31 03:00 広報だざいふ令和2年5月1日の私のだざいふに掲載された記事を紹介します。 階段を上がり視線を右に向けた途端、「おぉ~」 という叫びに近い声を発した瞬間を数十年たった今でもはっきりと憶えています。観世音寺を訪問する度に、「宝藏」所蔵の観音像との対面が楽しみです。何度観ても不空羂索...
第十六夜 ガネーシャチャトゥルティーの贈り物2020.05.31 03:00 英語学校に通うようになってから、何度目かの5月の休暇が終わって、ぼくは再び勉強のためにダーポリーヘもどった。学校が始まり、雨季も同時に始まった。雨雲がやって来て、熱い大地を潤し始めた。熱された土の上に雨が落ちると、なんと良い匂いがするのだろう。雨が降り出す時、土のすばらしく美し...
第十五夜 神さま、雨をください2020.05.24 03:00 その年の初めはよく雨が降ったが、後には降らなくなった。種まきはすんでいたが、だんだん畑の上が乾き始めた。水路の水もなくなり、野原の草も枯れ始めた。人々は心配になった。農民は雨が降らないものか、どこかに黒い雨雲が見えないか、と空を見上げていた。雨は大きな恵みである。雨のおかげで、...
第十四夜 楽しいディワーリー2020.05.18 03:00 ディワーリー(注1)の祭りが近づいた。学校は休みになった。ぼくは家からあまり遠くないダーポリーで勉強していたので、休暇になると、すぐに家に帰った。ディワーリーのために父は、ぼくや弟たちに新しい上着を1着ずつ作ってくれた。しかし、父が着ているドーティはひどくすり切れていた。母はも...
第十三夜 父が持って来てくれたカルワス2020.05.11 03:00 ぼくの家ではそのころ、雌牛が子供を産んだ。家では、その牛が出す濃い乳でカルワス(牛の初乳で作るプディングのようなお菓子)を作った。母はぼくのことを思い出していた。ぼくはカルワスが大好きだったからだ。ぼくが小さいころは、ラーダーという名の乳しぼりの娘が、ぼくのために、よくカルワス...
娑婆を生き抜く道2020.05.11 03:00 新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言による措置が続き、収束の目途もたたない中、不安な日々をお過ごしの事と存じます。東京在住の知人が新型コロナ感染症によりご逝去されたとの報に接し、悲しみと悔しさを感じております。皆様もどうぞお大事にお過ごし下さい。 「仏説阿弥陀経」...
第十二夜 本当の愛を求めて2020.05.03 03:00「ねえ、もう始めようか?ゴウィンダー」 とシャムが尋ねました。「もう少し待った方がいいよ。あのおじいさんがまだ来ていないからね。君の言葉を1つでも聞きのがしたら、悲しむと思うよ」 とゴウィンダーが言いました。「ごらんよ、おじいさんがやって来たよ。いらっしゃい、こっちに座ってくださ...