第二十三夜 母の遺言2020.07.26 03:00 夜明け近く、母はうわ言を言っていた。その話は取りとめがなかった。「あのレモンの木に水をやってちょうだい。そうでないと、枯れてしまうわ。あの新しく植えたジャックフルーツの木にも、水をやってね」 夢の中で、母は植えたばかりの木を見ていた。病気で弱っている時でも、母は木の手入れをし、...
第二十二夜 みんな仲良く幸せに暮らしてね2020.07.19 03:00 母の妹のサクーおばさんは、母の病気がだんだん悪くなっているということを知り、母の看病をするためにぼくたちの家に来てくれた。 サクーおばさんは、昼も夜も母の看病をしていた。おばは、生まれながらにして、看病をどのようにすればよいかについての知恵をもっているようだった。彼女は生まれな...
第二十一夜 失われた名誉2020.07.12 03:00 父は、アムルタシェトさんから借金をしていた。むかしの栄華のままに経済状態も顧みず。結婚式やムンジュにふんだんにお金を使い、そして、返済のための手だてを打たなかったために、借金はすでに膨大なものになっていた。 とうとう、アムルタツェトさんはぼくたちを訴え、裁判になった。利子をあわ...